勉強しているときの姿勢が集中力に影響する?
先のコラムでも書きましたが、姿勢が悪くなる要因のひとつとして、「椅子の形状」にあることがわかりました。
「子どもたちの姿勢を守る椅子・アップライト」の様に、S字姿勢がとりやすい椅子を選ぶことで、椅子に座った状態でも良い姿勢を保つことができましたね。
しかし、リビング学習や自室で勉強しているときはいかがでしょうか?
勉強しているときは、S字姿勢が保ちにくく、C字姿勢(猫背)になりやすいのです。
姿勢が悪いと勉強にも悪い影響があるようです。
どうして、S字姿勢が保ちにくくなってしまうのか?
なぜ、姿勢が悪いと勉強にも影響するのか?
勉強すればするほど姿勢が悪くなり効率が落ちてしまっては元も子もないし、「姿勢が悪くなるから勉強はやめなさい!」とは言えませんよね。
なぜC字姿勢(猫背)が悪いのか?
どうして勉強しているときに姿勢が悪くなりやすいのか?
勉強しているときはどうすれば良い姿勢を保てるのか?
一緒にみていきましょう!
1. “悪い姿勢”の影響について
先のコラム“こどもの姿勢が崩れる意外な理由”の「良い姿勢ってどんな状態?」で記した、C字姿勢(悪い姿勢)がもたらす影響を改めて見てみましょう。
- 腰痛
- ヘルニア
- 肩こり
- 首こり
- 眼精疲労
- 血行不良
- 集中力の低下
- 胃の圧迫
- 呼吸が浅くなる
水平な天板で勉強すると、背中を丸めて机に覆いかぶさる姿勢=悪い姿勢、猫背になりがちです。
猫背になると、肺が圧迫され脳への酸素供給が不足します。
脳への酸素不足は記憶や学習のために必要な集中力の低下を引き起こしていたのです。
「子どもは一生懸命勉強しているのに、成績が思ったより上がらない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
勉強の仕方や内容ではなく、姿勢を改善すれば脳への酸素不足からくる集中力低下を抑えることができそうです。
今の”悪い姿勢”のままでは、一生懸命勉強している子どもたちがかわいそうです。
悪い姿勢がもたらす影響を心に留め、子どもたちが良い姿勢でいられる環境を整えなければなりません。
そのためには、まず何が原因かを知る必要がありそうです。
2. “条件反射”が人間を悪い姿勢にさせている
水平な天板上の書面は、目からの書面上部と下部の距離が異なるため、目に負担をかける。 | 傾斜した天板上の書面は、目からの書面上部と下部の距離が均等に近くなるため、目にかかる負担を軽減させる。 |
読書のとき、人は教えられたことがないのに、本を置いた状態ではなく、手に持って起こした状態にして読みます。
これは、本や新聞を視線から垂直な位置にして目から本全体の距離を均等にすることで読みやすくなるよう、網膜が脳に要求する“条件反射”です。
読書や新聞を読むときと違い、勉強中は鉛筆やペンを使うため、教科書や参考書、問題集等を起こすことができません。
そのため、人間の自然な条件反射として、教科書が均等に見られるよう机に覆いかぶさらなくてはならないため、猫背となってしまうのです。
猫背になると、肺が圧迫され脳への酸素が不足し集中力低下を引き起こすことは、前述のとおりです。
3. 勉強中に良い姿勢を保つには?
- 勉強中に猫背になるのは 机に覆いかぶさるから
- 覆いかぶさるのは 網膜による条件反射があるから
- 網膜が条件反射するのは 対象が均等の距離にないから
- 対象が均等の距離にないのは 机の天板が水平だから
つまるところ、勉強をする環境として、平らな天板だと猫背になりやすく、目が疲れたり集中力が落ちたりしやすいと言えるのではないでしょうか。
少なくとも「勉強をするにはベストではない環境」と言えそうです。
実は欧州では”天板が傾斜する学習机”が常識となっているのです。
最適な角度の傾斜天板であれば、目の調整を最小限に抑え、集中力を落とさないで勉強に集中できそうです。
そこで気になるのが「どの角度が最適なのか」ではないでしょうか。
これについてが、なんと1960年代から欧州で研究されていたのです!
4. 子どもたちの姿勢を良くする天板の角度
これまで学習机は、水平なのが当たり前のように思われてきましたが、実は欧州ではすでに、天板が傾斜する学習机が整形外科・眼科の観点からみても良いというのが常識になっています。
整形外科医と眼科医の共同研究により「児童の読み書きにおける視覚と姿勢の関係」について、年齢・体格の異なる子どもを調査・研究したところ、「16度の天板傾斜は児童の姿勢を良好に保つこと」が確認されました。
この結果は、学会等でも発表され、『ISO5970(教育施設用の椅子及び机の機能的サイズについての国際規格)』では、「16度の傾斜する天板は推奨に値する」と表記されています。
水平な机と傾斜した机との身体に与える負担を科学的に検証した結果、傾斜天板での作業は、頸部と背中の筋肉の疲れを軽減することが確認されました。
国立の学校・スポーツ施設研究所は2007年4月に学校関係者に研究した指導方針を配布しています。
そこには「読み書き作業には、傾斜天板の机を使用すること。傾斜天板の整形外科学的効果は傾斜16度で初めて現れ、傾斜20度でその効果はさらにアップする」とあります。
「水平天板は、読み書き作業時に肩と背中の特定部位に負担をかけ、『背をまるめて机の上に覆いかぶさる姿勢』を強いる。
傾斜天板はこれを防ぐ、あるいは姿勢を著しく良化させる」と記されております。
子どもたちの姿勢を良い状態に保つためには、天板の傾斜は欠かせないものと言っても過言ではなさそうです。
しかし、カンタンに傾斜天板の学習机にするのは難しいですよね。
「今から傾斜天板の学習机を買い替えるのは経済的に難しい」
「リビング学習なので、傾斜天板の机を置くスペースがない」
「これから学習机を買う予定だが、傾斜天板の机は高価すぎて予算オーバー」
経済的にも物理的にも、すぐに購入・交換とはいきません。
また、学習机にしろダイニングテーブルにしろ、もともと気に入って購入したものだと思い入れもありますよね。
そこで私たちは、今あるものを活かしつつ子どもたちの姿勢を守れる傾斜角20°の天板をオリジナル商品としてつくりました。
5. どこでも使える傾斜天板“子どもたちの姿勢を守る20°スラントアップ”
スラントアップは、リビングテーブルや学習机の天板におくだけで勉強中でも読書中でも、より良い姿勢を保てる角度=子どもたちの姿勢を守る20°を実現した傾斜天板です。
持ち運びがしやすく収納も場所をとらないので、リビング学習をされているご家庭でもタンスと壁の隙間やソファの下等に置いておき、使うときだけ取り出してご使用いただけます。
傾斜することで、網膜の条件反射による目の疲れ・疲労を抑え、自然と上体が上がることで背骨が理想的なS字を描く姿勢となり、十分は酸素が取り込まれ集中力が高まります。
また、スラントアップを「出したときに勉強開始し勉強終了でしまう」ことで”メリハリのきいた学習習慣”となり、学習時の集中力がより高まります。
6. おわりに
今回、「なぜ悪い姿勢が良くないのか?」「どうして勉強しているときに姿勢が悪くなりやすいのか?」「勉強しているときにどうすれば良い姿勢を保てるのか?」について、一緒に確認ができましたね。
子どもたちは、勉強をしているとき網膜の条件反射で猫背になり十分な酸素が取り込めず集中できない状態で、そのことに気付かずに健気に頑張っています。
良い姿勢で勉強する習慣がつくと勉強自体がどんどん楽しくなります。
スラントアップを通じ、多くの子どもたちに勉強の楽しさを覚えてもらえたら嬉しいです。
【おまけ】 “子どもたちの姿勢を守る椅子・アップライト”をお使いの皆様へ
アップライトをお持ちの方はぜひ一緒にスラントアップを使ってみてください。
アップライトとスラントアップの相乗効果で、良い姿勢をよりながく保持することができます。
アップライトをお使いになっているからこそ、スラントアップを使って”勉強をしているときの姿勢の良さ”にハッとさせられると思います。